雨が降っても傘をささない。

薬と病気とアクアリウムとなんか色々備忘録。

ベタ1:はじめてベタを買う

仕事を辞めるまであとすこしの、2017年冬。

夫の実家で生息している黒猫に貢ぐために訪れたペットショップで、麗しいヒレをヒラヒラさせて泳ぐ、優美な魚に一目惚れした。

ベタと言う名のその魚は、瓶に一匹づつ入れられ、ショウウィンドウの中のヒラヒラのドレスみたいに、ずらりと並んでいた。

よくもまぁそこそこ狭いその瓶の中で、酸素のぶくぶくするあれもなく元気にしているなぁと感動して。
ついついそのまま、深い青色の「トラディショナル・ベタ」をお迎えして、浮き足立ちながら帰宅した。


ところで私は、沢山並んだベタ達の中から、「ヒレの先が爪のようになっている」青いベタを選んだ。
個性的だな、と思って。


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それが、ベタの体調不良の証だということは知らなかった。

ベタは少し何かあるとヒレに穴が開いたり、癒着して尖ったりする。
結構繊細なやつで、地震にビックリしてヒレに穴が開くとか、水の温度の上がり下がりが激しすぎてヒレがボロっと裂けるとか、ままあるらしい。

そんなこと全く気づかなかった私によって我が家にお迎えされた、たぶんペットショップにいたときからちょっと体調が悪かった彼。

わたしも暫くはペットショップのお兄さん直伝のお世話をしていたが、
あれなんかおかしくね?と気づき、いろいろ情報収集を始めた。

彼の体調とにらめっこしながら試行錯誤は続き、結局落ち着いた頃には管理方法が随分変わっていた。
ペットショップのお兄さんの名誉のために記しておくが、お兄さんのいっていたことが間違っていた訳じゃない。
ただ、お兄さんの管理方法は実はとっても上級者向けだったのと、うちの子になったベタにはあんまり合わない部分もあったのだと思う。
どうやらベタには結構個体差もあるらしい。
この辺りの管理の細かい話は、煩雑なので先に個別の記事を立てようと思う。




とにかく彼は、美しかった。
あまりにも綺麗で、私は初め、かなり大袈裟な名前をつけた。
しかしどんなに私が綺麗な名前をつけても、私の夫は彼のことを頑なに「べたっちょ」と呼んだ。

結局私は根負けして、彼はべたっちょになった。


べたっちょは、非常になつっこい魚だった。
私が掃除機をかけたり、家事で近くを通ると、ゆらゆら泳いで見学に来た。
水面に向けて指差すと、指めがけて全力でジャンプする。
水面から指を動かすと楽しげについてくる。
横のガラス面に指を置くと、そうっと触れに来てから、不思議そうにすぃっと後ずさる。
隠れられるようにと気を使って水槽に壺をいれたのに、壺の上で寝出す。


こうやって羅列してみると、確かに「べたっちょ」なんてコミカルな名前がしっくり来るから不思議。
はじめて見たときにはあれほど優美な魚だと思ったのに。



次の記事は、ベタの生態について記録する。